2010年08月25日

黒魔術の弊害?

 前回、私が派遣されていたバヌアツでの黒魔術について、お話しました。
 私がバヌアツで協力隊として活動中、感じていた葛藤をお話したいと思います☆

 「相手の国の文化や習慣を尊重する」
 これは私が協力隊活動をしていく上でモットーとしていたことでした。
 隊員として2年間活動する中、バヌアツの衣服で、ビシュラマ語を話し、バヌアツの食べ物を食べ、生活もバヌアツのやり方に従い、現地の人々に受け入れてもらえるように、そういう気持ちで過ごしていたと思います。
 
 しかし、いつもこれだけは納得できない!という習慣・文化が私にもありました。
 それは黒魔術による治療です。
 
 ある日のことでした。
 私は保健師として、病院勤務していました。その日、たまたま知り合いが入院していてお見舞いに病室へ行きました。すると、隣の病室からざわざわした声が聞こえてくるのでなんだろうと思って、外へでました。
すると、あるバヌアツ人が「人が死んでいる!」と言うので、私は驚き隣の病室へ駆け込み確認しました。すぐに、病棟スタッフへ連絡しましたが、すでに亡くなっており手遅れの状態でした。
 
 私はなぜこういうことがおこったのか、後日、その病棟スタッフへ話をしに行きました。
「この患者はB型肝炎だった。しかし、カスタムリーフ(魔術などで使う葉っぱ)を食べれば治ると聞いて、肝炎なのにも関わらずずっとカスタムリーフばかり食べていたんだよ。実際、お腹の中は葉っぱだらけだった。」
 
 こういう出来事はバヌアツにいると頻繁に聞き、体験しました。

 なぜ、治る病気なのに、魔術に頼っているのか、神父に頼るのか。時にはそれも精神面でも必要な事もあるとは思います。文化を否定している、ということではなくて、ただ命が関わっているのであれば手遅れになる前にみんながもっと正しい知識をつけてほしい、そう思います。
 きっと、亡くなってしまった彼も救えた命だったかもしれません。
 
 私は協力隊活動中、もっと正しい知識を持ってもらいたい、そして、少しでもこうして助かる命があるのならと、いろんな村や島へ出向き、健康教育をしてきました。田舎へ行けばいくほど住民は知識がありませんでした。
しかし、皆、「知らなかった、もっと教えてほしい。」と青年から高齢者まで、田舎へ行くほど一生懸命聞いてくれました。時には、大変なこともありましたがそんな人々に支えてもらいながら、この矛盾が多いバヌアツで頑張れたのではないかな、なんて思ったりします。
 今でも私の協力隊活動は終わってしまいましたが黒魔術を信じつつも、正しい健康への知識を持つ人が増えたら、そう願っています。
 


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Posted by JICAデスク佐賀 at 09:32│Comments(0)JICAデスク佐賀のつぶやき
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