2011年02月22日
セネガルの医療現場~派遣中の協力隊員からの報告~
みなさまこんにちは
今日は昨年3月にアフリカ・セネガルに派遣された看護師隊員の宇都宮真由子さんからのお便りをご紹介したいと思います
日本の医療と途上国の医療の違い、そして、宇都宮さんが困難はありつつも、現地の看護師とともに、国の発展、衛生状況の向上のために活躍されていることがとても良く伝わる内容です
ではでは、じっくりお読みください~
佐賀の皆さま、ボンジュール(こんにちは)!
「マイマ ハリス!!(お金ちょうだい)
マイマ カドー(なんかちょうだい)!!」
こんな言葉をかけられるのにも 慣れた セネガル 看護師隊員 宇都宮です。
日本ではありえない光景も、ここで半年以上も生活をすれば日常になってきました。
私の任地タンバクンダは、首都ダカールから内陸へ約460KM (車で8時間)。
セネガル人ですら「タンバクンダは、暑い 遠い 何もないから行きたくない」というような町です。
私は結構気に入っていますが・・・そんな町での活動を紹介します。
タンバクンダ州は妊産婦死亡率・乳幼児死亡率がセネガルの中でも高く、
住民の保健・予防に対する知識不足のため、更なる悪化を招いていると言われています。
そのため多くの医療隊員(JOCV)が派遣され、私も看護師の1人として
なんと診察代が大人200F(日本円で40円)子供100F(20円)という
地域住民に一番身近な保健ポスト(日本でいえば診療所レベル)で活動しています。
みなさん、「アフリカの医療者」と聞いてどんなイメージを浮かべますか?
私は、時間・ルールを守らない、なのに宗教絡みのことは正当化してくる、偉そうにして仕事をしないなどのイメージを持っていましたが、
実際一緒に活動してみてそんなことはなく、時間厳守・働きすぎで倒れてしまうのではないかと不安になるほどです。
同じ地球の片隅で働くそんな彼らの現状を今回皆様に伝えることができればと思います。
セネガルでは医師レベルのことを看護師がするので、保健ポスト長ももちろん看護師です。
保健ポストでは、診察・入院・妊産婦検診・分娩介助・予防接種・薬の販売・啓発活動と盛りだくさんのことを行っています。
これだけ多くのことを、看護師2人看護助手3名(無資格の助産師含む)で行っており
はっきり言って人員は足りず、隊員の私ですら医療行為以外のことも手伝っていて猫の手も借りたい状況です。
前任者が村で啓発活動を行なってくれたことで、地域住民の受診率は上がり、嬉しいことの反面
現段階では医療者を増やすことができない→医療サービスの質の低下→住民の受診率低下→診療所の収入低下
という悪循環を懸念しています。
そのため、少ない医療者の中で、いかに効率よく診療を進めるか?
無理・無駄・ムラを無くそうということを目標に挙げ、
5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)も絡めてルールの徹底化を図っています。
具体的には、整理番号と共に受診チケットを販売することで、
チケットの買い忘れの防止(いままでは料金を忘れても、次回は払ってねというやさしい言葉で終わっていた)受診者の間での順番モメへの防止(もめることでその度に診療がストップしてしまう)など、
日本で当たり前にやっていることなのですが、こちらではまだされていないことでした。
他にもこうやったら、スムーズにできるのでは?というアドバイスを行い、小さいとこからコツコツと日々改善を行っています。
さて、根本的にこの地域で医療が遅れている理由には言語の多様化による情報・知識不足があると私は考えています。
公用語はフランス語及び現地語のウォロフ語なのですが、
タンバクンダでは多くの民族が混在しており、各言語も違い、この公用語が通用しない人も多くいます。
多くの看護師は、首都から派遣されているため、彼らの言語がわからず、地元人である看護助手に通訳に入ってもらい診察を行っている状態です。
そのため時間もかかりますし、患者さんにどこまで伝わっているのか?の確認が不十分に思えます。
これらの地方住民が日進月歩の医療の中で取り残されていっていることは、JOCV(協力隊員)としてどうにかできないものか?と日々悶々としています。
このような状況を改善するために視覚でわかりやすく分かるような絵などが啓発活動では使われているのでもっと医療に興味を持って貰えるように、私も視覚で訴えていけたらと思います。
また保健ポスト建物自体も老朽化が進み、屋根や床が崩れ始めています。
こちらも今後直していきたいと思っており、ハード面からもアプローチしていく予定です。
日本の病院とは考えなければならない視点が違い、
最初はここで何ができるのだろうか?と思っていましたが、
理解あるスタッフに支えてもらい、なんとか自分がしたいこと、やらないといけないことが見えきました。
世界の医療の格差を身をもって知った今、少しでも何か変わってくれればと活動あるのみです。
最後に「人は生まれる場所は選べない」
「だけど生きてく方法を選ぶ権利はあるし、お互い補って生きていくことはできる」
ことを信じて、この国の医療の発展に携わっていきたいと思います。
いかがでしたか?
「人は生まれる国は選ぶことはできない」
「しかし、補い合って生きていくことができる」
目には見えないけれども、私たちの身の回りの物はすべて海外と繋がっていること。
私たちは遠く離れたアフリカとも繋がっていることを忘れず、お互いが協力しあう世の中になるといいなと思います。
宇都宮さん、残り約1年、セネガルでの貴重な時間を身体に気をつけてお過ごしくださいね
セネガルの医療が少しでも発達することを願って…☆
今日は昨年3月にアフリカ・セネガルに派遣された看護師隊員の宇都宮真由子さんからのお便りをご紹介したいと思います
日本の医療と途上国の医療の違い、そして、宇都宮さんが困難はありつつも、現地の看護師とともに、国の発展、衛生状況の向上のために活躍されていることがとても良く伝わる内容です
ではでは、じっくりお読みください~
佐賀の皆さま、ボンジュール(こんにちは)!
「マイマ ハリス!!(お金ちょうだい)
マイマ カドー(なんかちょうだい)!!」
こんな言葉をかけられるのにも 慣れた セネガル 看護師隊員 宇都宮です。
日本ではありえない光景も、ここで半年以上も生活をすれば日常になってきました。
私の任地タンバクンダは、首都ダカールから内陸へ約460KM (車で8時間)。
セネガル人ですら「タンバクンダは、暑い 遠い 何もないから行きたくない」というような町です。
私は結構気に入っていますが・・・そんな町での活動を紹介します。
タンバクンダ州は妊産婦死亡率・乳幼児死亡率がセネガルの中でも高く、
住民の保健・予防に対する知識不足のため、更なる悪化を招いていると言われています。
そのため多くの医療隊員(JOCV)が派遣され、私も看護師の1人として
なんと診察代が大人200F(日本円で40円)子供100F(20円)という
地域住民に一番身近な保健ポスト(日本でいえば診療所レベル)で活動しています。
みなさん、「アフリカの医療者」と聞いてどんなイメージを浮かべますか?
私は、時間・ルールを守らない、なのに宗教絡みのことは正当化してくる、偉そうにして仕事をしないなどのイメージを持っていましたが、
実際一緒に活動してみてそんなことはなく、時間厳守・働きすぎで倒れてしまうのではないかと不安になるほどです。
同じ地球の片隅で働くそんな彼らの現状を今回皆様に伝えることができればと思います。
セネガルでは医師レベルのことを看護師がするので、保健ポスト長ももちろん看護師です。
保健ポストでは、診察・入院・妊産婦検診・分娩介助・予防接種・薬の販売・啓発活動と盛りだくさんのことを行っています。
これだけ多くのことを、看護師2人看護助手3名(無資格の助産師含む)で行っており
はっきり言って人員は足りず、隊員の私ですら医療行為以外のことも手伝っていて猫の手も借りたい状況です。
前任者が村で啓発活動を行なってくれたことで、地域住民の受診率は上がり、嬉しいことの反面
現段階では医療者を増やすことができない→医療サービスの質の低下→住民の受診率低下→診療所の収入低下
という悪循環を懸念しています。
そのため、少ない医療者の中で、いかに効率よく診療を進めるか?
無理・無駄・ムラを無くそうということを目標に挙げ、
5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)も絡めてルールの徹底化を図っています。
具体的には、整理番号と共に受診チケットを販売することで、
チケットの買い忘れの防止(いままでは料金を忘れても、次回は払ってねというやさしい言葉で終わっていた)受診者の間での順番モメへの防止(もめることでその度に診療がストップしてしまう)など、
日本で当たり前にやっていることなのですが、こちらではまだされていないことでした。
他にもこうやったら、スムーズにできるのでは?というアドバイスを行い、小さいとこからコツコツと日々改善を行っています。
さて、根本的にこの地域で医療が遅れている理由には言語の多様化による情報・知識不足があると私は考えています。
公用語はフランス語及び現地語のウォロフ語なのですが、
タンバクンダでは多くの民族が混在しており、各言語も違い、この公用語が通用しない人も多くいます。
多くの看護師は、首都から派遣されているため、彼らの言語がわからず、地元人である看護助手に通訳に入ってもらい診察を行っている状態です。
そのため時間もかかりますし、患者さんにどこまで伝わっているのか?の確認が不十分に思えます。
これらの地方住民が日進月歩の医療の中で取り残されていっていることは、JOCV(協力隊員)としてどうにかできないものか?と日々悶々としています。
このような状況を改善するために視覚でわかりやすく分かるような絵などが啓発活動では使われているのでもっと医療に興味を持って貰えるように、私も視覚で訴えていけたらと思います。
また保健ポスト建物自体も老朽化が進み、屋根や床が崩れ始めています。
こちらも今後直していきたいと思っており、ハード面からもアプローチしていく予定です。
日本の病院とは考えなければならない視点が違い、
最初はここで何ができるのだろうか?と思っていましたが、
理解あるスタッフに支えてもらい、なんとか自分がしたいこと、やらないといけないことが見えきました。
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最後に「人は生まれる場所は選べない」
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ことを信じて、この国の医療の発展に携わっていきたいと思います。
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「しかし、補い合って生きていくことができる」
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Posted by JICAデスク佐賀 at 11:45│Comments(0)
│佐賀県出身JICAボランティア